
狭いキッチンのレイアウトで重要なのは、調理作業がスムーズに進むことと最低限必要な収納スペースを確保することです。
調理の動線を意識して、作業も収納も効率よくするレイアウトにするポイントを解説します。
狭くても使いやすいキッチンのレイアウトのポイント
狭いキッチンの場合、スペースの余裕がない分、調理作業中の移動はしやすいといえます。
ただし、効率的に動けるようなキッチンにするには、レイアウトの工夫が必要です。
狭くても使いやすいキッチンになるレイアウトのポイントを解説します。
・調理手順に沿って動けるレイアウトにする
・冷蔵庫はドアの開き方向に注意する
・調理器具や食器が取り出しやすい収納計画を行う
・キッチン家電は使用頻度が高いものを絞り込んで並べる
それぞれ解説します。
調理手順に沿って動けるレイアウトにする
調理の基本的な手順は冷蔵庫(食材を取り出す)→シンク(食材を洗う)→調理台(下ごしらえ)→コンロ(加熱調理)→調理台やカウンター(盛り付け)です。
この手順がスムーズにできるよう、キッチン内での動きを考慮してレイアウトを考えましょう。
おすすめはキッチン本体と食器棚やカウンターが並列になるⅡ型か、L型のキッチンにI型のカウンターと食器棚をレイアウトしたU型です。
Ⅱ型は通路幅を75~90cmの範囲でレイアウトすると、キッチンと食器棚やカウンターとの間を1~2歩移動するだけで作業できるため、調理作業の時短化につながります。
U型はⅡ型にさらに1辺が加わった形で動き方はⅡ型とほぼ同じですが、ワークトップが長くなったことで複数人での調理作業もスムーズです。
キッチンの動線につきましては下記記事もあわせてご参照ください。
理想的なキッチンの動線とは?理想的なレイアウトのポイントを解説
冷蔵庫はドアの開き方向に注意する
右開きの冷蔵庫は開いたドアが右側に、左開きの冷蔵庫は開いたドアが左側にきます。
開いたドアが壁側や通路側に来る位置に冷蔵庫を置くと、取り出した食材をシンクや調理台にすぐ置けるため、キッチンと冷蔵庫の間に立てば移動せずに作業ができて便利です。
冷蔵庫の置き場所については下記記事もあわせてご参照ください。
【冷蔵庫の位置はどこがベスト?】最適な配置や注意したいポイントは?
調理器具や食器が取り出しやすい収納計画を行う
調理器具は使用場所に近い位置に収納しましょう。
ザルや包丁はシンク下、鍋やフライパンはコンロ下に収納すると便利です。
食器類はよく使う食器を目から腰の高さの棚に収納すると、しゃがんだり背伸びしたりする必要がなく、楽に取り出しできます。使用アイテムをさっと取り出せるよう収納しておくと、下ごしらえから盛り付けまでの一連の作業がスムーズに進みますよ。
キッチンの収納アイデアは下記記事をご参照ください。
「使える」キッチン収納とは?調理作業がスムーズに進むポイントとアイデア
キッチン家電は使用頻度が高いものを絞り込んで並べる
狭いキッチンでは、キッチン家電を置くスペースが限られます。
家庭によってよく使うキッチン家電の種類は異なるため、普段よく使うキッチン家電を優先して置きましょう。
キッチン家電を2~3点に絞る、天板に横に並べるのではなく縦に置けるようスライド棚などがある食器棚を選ぶといった工夫もおすすめです。
調理作業が段取りよく進められれば、狭いキッチンでも快適に使えますね。
できるだけコンパクトな動きで調理作業ができるレイアウトを考えましょう。
狭いキッチンを広く使うおすすめアイデア
物理的にキッチンの面積を広げなくても、余裕を持って調理作業ができるキッチンにすることは可能です。
限られたスペースを最大限に活用するおすすめアイデアを紹介します。
・キッチンの調理台と同じ高さのカウンターを設ける
・可動ワゴンの天板を作業台として活用する
・壁面に吊戸棚を設置する
それぞれ解説します。
キッチンの調理台と同じ高さのカウンターを設ける
キッチンが対面型なら、ダイニング側に調理台と同じ高さのカウンターを設けると、カウンターも調理作業スペースとして活用できます。
下ごしらえの時にバットを複数同時に使えたり、数枚の大皿を並べて手早く盛り付けたりできるため、作業効率が上がるでしょう。
ダイニング側への料理の受け渡しも楽にできます。
可動ワゴンの天板を作業台として活用する
天板がついた可動ワゴンは、作業台と収納を兼ねた便利なアイテムです。
出来上がった料理を並べておくと、キッチンの調理台が空くので次の作業に取りかかれます。
朝の忙しい時間帯に、お弁当のおかずをワゴンの上で冷ましながらキッチンで朝食をつくるといったことも可能です。
炊飯器や保温ポットを置いて食事前にダイニングへ移動させれば、ご飯をついだりお茶を入れたりする作業はダイニングでできるため、キッチンでは余裕を持って調理作業に専念できるでしょう。
壁面に吊戸棚を設置する
調理台やシンク・コンロまわりに物を出しっぱなしにしてしまうと、狭いキッチンがさらに使いにくくなってしまいます。
独立型のキッチンなら、キッチン本体の上部壁面を利用して吊戸棚を設けましょう。
調理台やシンク・コンロまわりの細かいアイテムをラックなどに入れて吊戸棚に収納しておけば、見た目がすっきりするだけでなく作業効率が上がり、掃除もしやすくなって衛生面でも安心です。
キッチンのレイアウトによっては、ダイニングとのつながりや壁面の活用が調理作業に余裕を与えてくれます。
キッチン本体や食器棚以外のスペースの有効活用を意識して、上手におすすめアイデアを活用してみてください。
狭いキッチンで収納スペースを確保するには?
狭いキッチンでは、できるだけデッドスペースをつくらず空間を有効利用した収納を意識すると収納量を確保できます。
狭いキッチンで収納スペースを確保するおすすめアイデアを紹介します。
・壁面を活用する
・キャビネット内にラックを入れて端から端まで活用する
・ゴミ箱スペースを最初から確保しておく
それぞれ解説します。
壁面を活用する
コンロ横の壁をキッチンパネルで仕上げている場合は、マグネットや吸盤タイプのフックを取り付けることで、お玉やフライ返しなどの調理器具を吊り下げて収納できます。
収納カウンター上部の壁面には、有孔ボードを設置し、棚やフックを活用することで、実用的な収納スペースとして活用できます。ただし、動線を考慮せずに設置すると、調理器具が手や身体に当たって落下するおそれがあるため注意が必要です。
キッチンをより快適に使いたい場合は、背面に収納を設けるのもおすすめです。セミオーダー式の食器棚であれば、開口スペースにぴったりのサイズで設置でき、無駄のないレイアウトが可能です。
背面収納の選び方や、検討時に意識すべきポイントについては、以下の記事をご参照ください。
キッチンの後ろの収納をどうする?背面収納の選び方や意識すべきポイントを解説!
キャビネット内にラックを入れて端から端まで活用する
キッチンの引き出し収納は高さがあるため、上部がデッドスペースとして空白になりがちです。
開閉に支障がない高さのラックをキャビネット内にセットして、スペースを有効活用しましょう。
自治体のゴミ袋やラップなどのストックを置く場所として便利です。
ゴミ箱スペースを最初から確保しておく
キッチンのレイアウトを考える時、意外と忘れがちなのがゴミ箱の置き場所です。
壁から壁までキッチン本体や食器棚をセットした後に気づいてしまうと、ゴミ箱だけがはみ出て調理作業の妨げになることも少なくありません。食器棚の下部にダストワゴンをセットできるタイプや、スペースを空けて市販のゴミ箱を置けるタイプなどを選ぶと、ゴミ箱をすっきり収納できますよ。
キッチンのごみ箱置き場につきましては下記記事をご参照ください。
キッチンのゴミ箱、どこに置く?失敗しないための3つのポイントと狭い・広いキッチンでの最適な配置方法を徹底解説
狭いキッチンでも、空間を有効活用すれば収納スペースを確保したり増やしたりできます。
特に壁面を活用するアイデアはDIYで対応できることも多いため、簡単なアイデアから試してみてくださいね。
綾野製作所おすすめの食器棚
綾野製作所の食器棚は、高さ・幅・奥行それぞれのサイズを選択できるため、たいていの場所に問題なく設置でき、すき間も小さく抑えられます。
天井の梁にあわせて上部収納を加工したり、壁のコンセントが使いやすいようキャビネットの背面に穴あけ加工ができたりする点も便利です。
綾野製作所がおすすめする食器棚について紹介します。
・SW スタイン
・PS プロージット
・LK スピネル
それぞれ解説します。
SW スタイン
シンプルな見た目と、上下に手掛かりを設けて使いやすさにこだわったラインハンドルがポイントです。
立ったまま使えるハイカウンターは、キッチン家電の使い勝手がよく調理作業をより効率的に進められます。新仕様のキャビネットなど、選択できるアイテムも多彩。
間口に合わせて思い通りのキッチン空間を実現したい方におすすめです。
PS プロージット
最高峰の機能と意匠性を纏うPSシリーズは、上品さと堅牢さを併せ持った本物のマテリアルが放つ存在感が魅力です。
使い心地を突き詰めた最新鋭の引出し「アーキテック」をはじめ、暮らしに寄りそう機能を結集させました。ハイグレードのキャビネットは、毎日を美しく優雅に彩り、キッチンをさらに心地よい空間へと変えてくれるでしょう。
LK スピネル
扉カラーのバリエーションが豊富なことで人気のLKシリーズ。
大地や植物などをイメージした自然由来のアースカラーと、ブラックボディやダークカラーのバックボードの組み合わせは、クールでスタイリッシュな印象を与えます。
デザイン性の高いキッチン家電を置けば、非日常感あふれる美しいキッチンに仕上がるでしょう。
ご紹介した綾野製作所の食器棚は、いずれも発売以来高い人気を誇るシリーズです。
機能性もデザイン性も高い食器棚をお探しの方はぜひ活用してみてください。
狭いキッチンを心地よい空間にするヒント
面積が狭いと窮屈な印象があるかもしれませんが、工夫次第で心地よい空間に仕上げることは可能です。
狭いキッチンを心地よい空間にするヒントを紹介します。
・照明器具にこだわる
・キッチン本体や食器棚のカラーは明るめに
・グリーンで癒しスポットをつくる
それぞれ解説します。
照明器具にこだわる
調理作業を行うキッチンは明るさの確保が必須ですが、せっかくなら器具のデザインにもこだわりたいですね。
全体照明を天井に設置するだけでなく、調理を行う手元だけを集中的に照らす照明としてダウンライトやスポットライトを設置してみましょう。ダウンライトは天井面に埋め込むタイプなら圧迫感がありませんし、スポットライトはダクトレールと併用して位置調整できます。
キッチン本体や食器棚のカラーは明るめに
濃い色のキッチンはおしゃれですが、狭い空間にセットすると圧迫感が強く空間全体がより狭く見えてしまいます。爽やかなホワイトや上品なライトグレー、ナチュラルなベージュといった色で統一すると広く見えておすすめです。
キッチン本体と食器棚やカウンターの扉の色は、揃えるとすっきりまとまります。
グリーンで癒しスポットをつくる
グリーンがあると自然が身近に感じられて癒されますね。
小さめサイズのグリーンやハーブをキッチンの端や対面カウンターの上に飾る、有孔ボードにセットしたフックを使って吊り下げるといった方法で、キッチン空間にグリーンを取り入れてみてください。
衛生面や虫の問題が不安なら、水も土も不要なエアプランツがおすすめです。
狭いキッチンの場合、照明器具やカラーコーディネートの工夫で狭さを感じさせない演出が不可欠です。
毎日使う場所ですから、細部までこだわってお気に入りの空間に仕上げましょう。
まとめ
狭さを生かしたキッチンレイアウトで毎日の調理作業をストレスフリーに
狭いキッチンでも、レイアウトや収納スペースの工夫によって効率的に調理作業ができる空間へと変えられます。
スムーズな動線となるレイアウトと、壁面やキャビネット内を有効活用した収納スペースの確保を軸に、さまざまなアイデアを取り入れて毎日の調理がストレスなくできるキッチンをつくってみませんか。