「見てよかった!」の声が集まる理由とは?綾野製作所 東京ショールームってこんな場所

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住まいにおけるキッチンは、単に調理をする場所ではなく、リビングやダイニングとゆるやかにつながって家族や来客とのコミュニケーションを楽しむ場所として重視される傾向が強くなってきました。

その流れを受けて、キッチン内をすっきり整えつつ、ニーズに合わせて機能的に使えるようユニットを組み合わせていくタイプの食器棚の需要も年々高まっています。

機能性とデザイン性に加え、耐久性も兼ね備えた食器棚の製作で注目されているのが株式会社綾野製作所です。
1960年に香川県丸亀市で創業し、1983年から食器棚の生産を開始した綾野製作所は、ドイツ・ヘティヒ社の引き出しシステムを搭載した高性能食器棚やユニットを組み換えてつくるユニット式食器棚などを次々と開発し、「食器棚といえばAYANO」と呼ばれるほどの地位を確立しました。

2017年、東京都北区に初めてのショールームとして東京ショールームをオープンし、これまで多くのお客様が来館されています。そこで今回は、綾野製作所のスタッフに、東京ショールームのコンセプトや利用方法、食器棚選びのポイントなどについてお話を伺いました。

 

香川県のメーカーである貴社が東京へショールームを設置された背景を教えてください。

弊社は香川県に本社を置く家具メーカーとして、長年ものづくりに取り組んできました。

ありがたいことに、全国のお客様からも関心をいただくようになり、首都圏での発信の場をつくりたいと考えるようになりました。

東京はトレンドや情報の発信地であり、建築やインテリアの関係者、そして多くの消費者の方々が集まる大きなマーケットです。そんな場所にショールームを構えることで、私たちの製品を実際に「見て・触れて・感じて」いただける場をつくりたいと思ったのがきっかけです。

実際に足を運んでいただくことで、私たちのモノづくりをもっと身近に感じていただけたら嬉しいですし、お客様のニーズを直接汲み取ることで、今後の製品開発やサービス改善にも活かしていきたいと考えました。

そこで、まずはインテリアコーディネーターさんなど弊社の製品をお客様に提案してくださる方々に弊社の製品の魅力を直接感じていただける場を提供し、さらに弊社の製品をご検討くださっているお客様も一緒にご来場いただいて、納得した上で製品を選んでいただきたいという思いから、2017年に東京都北区に東京ショールームを開設しました。

 

東京ショールームのコンセプトを教えてください。

基本コンセプトは『暮らしに寄り添う収納空間のご提案』です。

お客様のご自宅の環境やライフスタイルなどに合わせて最適なプランを組み上げるために、ショールームで実際に商品を体験していただく空間を提供したいと考えています。
細部までこだわって食器棚をじっくり選びたいというお客様は、メーカーの人に気軽に相談できる場所を求めているという声が多かったので、商品を体験していただけるという点をしっかり打ち出したいという考えはありました。

 

ショールームではどのようなサービスを受けられるのでしょうか。

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展示している商品を実際に見て触って体感していただけます。

ショールーム専任のスタッフがおりますので、商品やプランニングに関する疑問や不安が解消できるよう、商品の特徴などの説明をしたりご希望に沿って適したプランを提案したりするサービスも提供しています。
ご案内の最後に、ユニットアイテムを組み合わせたイメージ図と参考小売価格を記載したお見積りも作成可能です。


実際にどのような方がショールームを訪れるのですか?

これから新築でご自宅を建てられる方や購入される方、また現在のご自宅のリフォームを予定されている方が多くいらっしゃいます。
割合としては、新築が約8割、リフォームが約2割です。さらに、現在も弊社の食器棚をご利用いただいているリピーターのお客様も多くご来店されます。

 

どのような方にショールームを活用して欲しいとお考えでしょうか。

食器棚をこだわって選びたいという方にはぜひご利用いただきたいですね。
仕様や色の選択などを細かく確認したい、プランを相談したいというお客様にぜひショールームを活用していただきたいですね。

 

相談にかかる時間はどのくらい必要でしょうか? 

商品確認だけであれば30分から1時間ぐらいでしょうか。
食器棚以外の商品も見たいというお客様だと1時間半程度かかかる場合が多いです。

 

ショールームでよく質問される内容を教えてください。

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やはり一番多いご質問は、お客様のご自宅で使われているキッチンのサイズに合う組み合わせの内容ですね。
それに付随して、キッチンと色を合わせた方がいいかどうかといったカラー関係のご相談や、日常的なお手入れ方法に関するご質問も多くいただきます。

 

ショールームで実際にお客様の課題を解決した事例があれば教えてください。

一例ですが、炊飯器を持っているか持っていないか、電子レンジやそのほかの調理家電を持っているかを伺って組み合わせを提案させていただくと、お客様のご要望に沿ったプランにまとまりやすいです。
調理家電をたくさんお持ちであれば、食器棚の中にはどの家電を納めるかといった細かいところからヒアリングを行います。加えて、ごみ箱のスペースが必要か、重視するのは「家電を置くスペース」なのか「キッチンアイテムの収納量」かなど、お客様が一番優先したいポイントは何かを軸に組み合わせていく流れです。

食器棚をどのように選んだらいいかというシンプルなご不安をお持ちのお客様が多いので、まずお客様ご自身がどうしたいのか、食器棚をどのように使いたいのかというところを会話の中でクリアにしていきながら、最適な組み合わせを分かりやすく提案していきます。お客様にとって、食器棚は買い慣れていない商品ですから、ゴールまでの道筋を立てていくお手伝いをするのが私たちの仕事です。

ご自分で選んだものの、本当にこれでいいのかなと迷われているお客様には、より使いやすい組み合わせをアドバイスの形で提案し、お客様のご要望をより理想に近い形で叶えられるように導くという感じでしょうか。

 

ショールーム接客において、お客様の課題を解決するために心がけていることは何でしょうか?

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一番重視しているのはヒアリングです。
特に、家族構成やお子様の有無、使用する家電の種類や個数や使い方、ごみ箱の場所など、現状の確認はお客様の使い方に合う提案を行う上で欠かせません。

たとえば炊飯器の配置ひとつをとっても、ご家族それぞれが自分でご飯をよそうのか、それともお母様がまとめてよそうのかによって、使いやすい場所は変わってきます。
キッチンの入り口付近がよいのか、奥に配置するべきかといった点も含め、最適なご提案が異なるのです。
こうした細かな部分まで丁寧にヒアリングすることで、お客様だけの理想的なプランをご提案できます。

お客様からすれば雑談に感じるような質問もあるかと思いますが、いただいたご回答すべてが提案のポイントにつながっています。メモを取りながらお話を伺い、お客様が悩んでいる点だけでなく、潜在的なご要望も上手に引き出しながらプロとして最適な提案へとつなげ、お客様に喜んでいただけたらと考えています。

 

食器棚を選ぶときにどのようなポイントを意識すれば良いでしょうか?

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サイズは必ず意識していただきたいポイントです。
例えばマンションの場合、食器棚を置く場所の奥行きは45cmジャストで設計されているのが一般的なこともあって、奥行き45cmの商品を希望される方が多いのですが、今使用している家電が奥行き45cmのカウンターに乗せられるかどうか。

今後欲しいと思っている調理家電が大きめサイズなら、奥行き50cmの商品の方がいいかもしれません。将来的に買い替える時をイメージすると食器棚を選びやすくなるのではないでしょうか。

 

食器棚選びでありがちなミスや注意点を教えていただけますか。

最近はデザインにこだわった食器棚が多く市場に出回っていますが、デザインだけに注目して選ぶと、いざ使い始めた時に引き出しが使いにくいなど、機能面で気になる点はいくつも出てくると思います。

たとえば引き出し一つにしても、「レールの構造はどうなっているか」「選ぶレールによって動きがどう変わるか」といった細部までぜひこだわっていただきたい、と常にお伝えするよう心掛けております。その理由は、食器棚が家と同じように何十年と使う家具のひとつだからです。
末長く使っていただけるよう、デザインだけではなく中身の部分もよく見ていただきたいのです。

弊社は耐久性を非常に重視しているメーカーですから、日常の使用に耐えうる頑丈さがあることをお客様に毎回丁寧に説明しています。
たとえば表面上は見えませんが、耐久性を高めるために芯材(食器棚内部の骨組みなどに使われる材料)を多く使用しています。これにより、横揺れに強く、安定感のある商品が出来上がります。
当然、材料を増やしている分価格も高くなりますが、より長くお使いいただける商品として、見えない部分にも妥協しないよう心掛けております。

食器棚は毎日使い続ける家具です。
一度購入したら長期間使うだけに、デザインだけに注目せず仕様もしっかり確認して選ぶと失敗しにくいと思います。

 

最後に、綾野製作所の推しポイントを教えていただけますか。

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ガラスのスライド扉は他社に負けない高品質だと自負しています。
扉が軽いだけでなく、上から吊っているため作動時に音がしません。
ご自宅で静かな時間帯に開け閉めされる時も気にならないので、ストレスなくお使いいただけるという点からも一番の推しポイントですね。

 

ありがとうございました。

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