
食器や調味器具・食品・調味料などたくさんのものを使うキッチンの収納は、単に整理整頓するのではなく、調理作業をスムーズに進めることを重視した収納計画が必要です。
スペースを上手に活用するために、押さえておきたいポイントやおすすめのキッチン収納のアイデアについて解説していきます。
使い勝手の良さが決め手!キッチン収納のルールを決めよう
キッチン内には調理に使うもの、盛り付けに使うもの、下ごしらえに使うものなどこまごまとしたアイテムがたくさんあります。さらに食品や調味料などのストック類や、最近注目されている備蓄品なども加わるため、キッチンをメインで使う人が収納のルールを決めておくことが大切です。
収納計画を考える上で重視したいのは、キッチン内での作業がスムーズにできるかどうか。
つまり使い勝手の良さを重視して、計画を立てていくとよいでしょう。
キッチン収納のルール決めのポイントは人によってさまざまですが、整理しながら効率よく収納できるために次の3つのいずれかを軸にして計画していくのがおすすめです。
・使用頻度別に分ける
・アイテム別に分ける
・使用場所別に分ける
それぞれ解説します。
使用頻度別に分ける
腰あたりから肩の高さあたりまでの範囲は、出し入れがしやすく確認しやすい「アイレベル」と呼ばれる範囲です。
使用頻度を重視して収納を考える場合、ほぼ毎日使うような使用頻度が高い食器や調理器具・食品・調味料などはアイレベルの範囲内に収納しましょう。
アイレベルよりも高い位置、逆に低い位置は腕を伸ばしたり腰をかがめたりしないと出し入れができない位置のため、たまに使う調理器具やお正月用品などの季節ものといった使用頻度が低いものを収納します。
高い位置に重量があるものを収納すると出し入れの際に落下した場合怪我をする危険性があるため、高い位置には軽いもの、低い位置には重いものを収納すると安全に出し入れできるでしょう。
アイテム別に分ける
食器や調理器具・食品・調味料・カトラリーなど一つ一つの種類の数が多い場合は、アイテムごとに分けて収納する方法がおすすめです。
「あのお皿どこにいったかな」「ストックしていたあの調味料を今日使おうかな」という時、アイテム別に分けておくと探しやすくなります。ただし、配管による湿気がたまりやすいシンク下キャビネット内には食品を収納しないほうがいいでしょう。
また、同じアイテムで幅や高さなどのサイズが異なると隙間があきやすいため、キャビネットや棚の幅・奥行き・高さに合わせてセットしたボックスやバスケットの中にアイテムを収納すると、スペースを有効に使えます。
使用場所別に分ける
作業効率を優先したいなら、使用場所に合わせて収納していく方法がいいでしょう。
例えば、同じ調理器具でも、野菜を洗って水を切るために使うボウルやザルはシンク下に、火を使って調理するためのフライパンや鍋はコンロ下に収納すると、出してすぐに使えるため移動する手間がかかりません。
調理作業の流れやキッチンスペースの広さ、キッチン内の収納スペースの量や位置などによってベストな収納方法は異なります。どの方法だと使い勝手がいいかじっくり考えて、あなたなりの「マイ収納ルール」を決めて計画しましょう。
スムーズな調理作業のために押さえておきたいキッチン収納のポイント
キッチン収納の計画を考える際、キャビネットの中をどのように仕切るか、少しでもデッドスペースをなくすためにどう並べるかということに注目しがちです。しかし、その前にまず調理する場所ということを念頭に置いて「調理作業の流れを止めない」という点を重要視する必要があります。
キッチン内での動き方を踏まえて、キッチン全体を視野に入れたキッチン収納を考える4つのポイントを押さえておきましょう。
・使う人の身長や体力を考慮する
・カスタマイズしやすい収納ツールを使う
・壁面を活用する
・ゴミ箱の位置の検討を忘れずに
それぞれ解説します。
使う人の身長や体力を考慮する
天井面に設置する吊戸棚は、キッチンの広さに関係なく収納スペースを増やせて便利な一方で、背が低い人や腕を上げにくい高齢者には使いづらい位置にあります。
最近のシステムキッチンにはほぼ標準装備されているキャビネットの足元収納(ケコミ収納)は、缶ビールやホットプレートなどを収納しやすい反面、腰や膝に持病がありしゃがむ動作が難しい人にはほぼ使えません。キッチンをメインで使う人の身長や体力などを考慮して収納計画を立てないと、せっかく収納スペースを増やしても使いこなせない可能性が高いです。
身長に合わせたキッチンの高さの選び方については下記記事を参照ください。
『 身長に合わせたキッチンの高さの選び方についての詳細はこちらから 』
カスタマイズしやすい収納ツールを使う
新築時に練りに練った収納計画にしていても、生活していくうちに必ずものが増えていくため、収納の模様替えが必要です。その時のことを考えると、ビスで固定する棚やフックはアレンジが効きません。
収納するもののサイズに合わせて位置を変えやすいよう、マグネットや突っ張り棒、ボックスなどの収納ツールを活用すると大変便利です。壁面に穴を開ける必要がなく、使用位置を自由に変えることができるため、その時その時のキッチンの使い方に沿った収納ができるでしょう。
壁面を活用する
キッチン収納はキャビネット収納の印象が強いかもしれませんが、意外と便利なのが壁面収納です。
壁面収納は、キャビネット収納のように扉の開閉の手間がかかりません。
ペニンシュラ型や対面型のキッチンの多くはコンロ側に壁面があるため、調理器具や調味料の収納スペースとして壁面を活用しましょう。キッチンスペースの中央に設置するアイランド型キッチンは、四方に壁面がないため、家電カウンターや食器棚を設置する壁面を活用すると便利です。
ゴミ箱の位置の検討を忘れずに
キッチン内の動線を考える上で、ゴミ箱位置の確保は必須です。
キッチン収納の計画段階でゴミ箱の設置位置を考えずにプランニングした結果、ゴミ箱が通路に飛び出る位置になりキッチン内で動きにくいという問題が発生するケースは少なくありません。
シンクとコンロどちらの位置に近い方がいいか、キッチンの手前と奥のどちらがいいか、キッチン本体側と家電カウンター側のどちらにスペースを確保するかなど、日常の調理作業の流れをイメージしながら検討してください。「どこに」「何を」収納すると調理作業がスムーズに進められるかがキッチン収納のポイントです。
壁面の活用やゴミ箱の位置も収納計画の初期段階から一緒に検討していきましょう。
ゴミ箱の位置については下記コラムにて詳しく解説しています。是非、ご覧ください。
効率的でおしゃれに使えるキッチン収納のアイデア
ここからは、キッチン収納の具体的なアイデアをご紹介します。
効率的で見た目もおしゃれな収納アイデア、ぜひ参考にしてください。
・キッチン本体の引出し収納はラックやボックスを活用
・壁面収納はマグネットツールが便利
・「飾る収納」でお気に入りアイテムを見せる
それぞれ解説します。
キッチン本体の引出し収納はラックやボックスを活用
最近のシステムキッチンは引き出し収納が主流です。
シンク下やコンロ下の収納は天板から20cmほど下がった位置にあり、ものを出し入れする際にはやや腰をかがめる姿勢になることを考慮し、ラックやボックスを使って「立てる収納」にすると出し入れ作業が楽になります。
使用する家電の点数が多いなら、綾野製作所の「アデル(AU/AG)」がおすすめです。
家電を縦に並べられる家電収納は、フラップ扉で家電を隠せるため見た目も大変すっきりします。
ダイニングやリビングからゴミ箱を見せずに収納したい場合は、ダストワゴンをセットできる綾野製作所の「カンビア( I )」もおすすめです。
車輪がついたワゴンタイプで移動しやすい上に、前面にキャビネットの扉と同じ面材を使っているため、一見ゴミ箱とは分からないほど。ゴミ箱をスマートにレイアウトできます。
壁面収納はマグネットツールが便利
コンロまわりや家電カウンターまわりの壁面を活用するなら、位置を簡単に変更できるマグネットツールがおすすめです。キャビネット収納のように扉の開閉がなく、使いやすい高さのため気軽に使えます。
綾野製作所の「クラスト(CX)」では、扉がホワイトボード仕様になったキャビネットを選択すると、マグネットツールを扉にくっつけて使えるためとても便利です。
秀逸なのは、マグネットが扉の表面だけでなく裏面でも使えること。メモを貼ったり、ラックをセットして調味料ケースを並べたりできるため、壁面を確保しにくいコンパクトなキッチンでも使いやすいでしょう。
「飾る収納」でお気に入りアイテムを見せる
キッチン空間が他の部屋と壁で仕切られている独立型キッチン以外は、ダイニングやリビングからキッチン内がよく見えます。キッチン内の壁面を利用して棚や有孔ボードを設置し、お気に入りの食器やキッチンツールなどを飾るように収納すると、カフェのような雰囲気が出せてとてもおしゃれです。
レール付きの背板がセットされたオープンキャビネットを選び、棚やボックスをセットできる綾野製作所の「キーノート(KN)」は、飾る収納を存分に楽しめるシリーズとして人気があります。
お気に入りの食器やデザイン性の高い家電などを並べるのもおすすめです。
「どこに」「何を」収納するかを決めた後、これらのアイデアを取り入れてみてください。キッチン内のさまざまなスペースをしっかり活用しながら、より効率的な収納が実現できるでしょう。
まとめ
効率的なキッチン収納で毎日の調理作業を楽しもう
キッチン収納は、他の収納とは異なり、収納量に加えて調理作業をスムーズに進めるための効率性を考慮する必要があります。
キッチン内での動き方に合った収納ルールを決めた後は、メインでキッチンを使う人の身長や体力に合わせた収納レイアウトを考え、デッドスペースをつくらないことも大切です。壁面の有効活用などのアイデアも上手に取り入れながら、使い勝手のいいキッチン収納を形にしていきましょう。
綾野製作所ではさまざまな食器棚を製作しております。
綾野製作所のこだわりにつきましては下記ページをご覧ください。