当コラムにて、食器棚の引出し収納やシンク下・コンロ下収納のハウツーを伝授してくださっている、整理収納アドバイザーのNANAKOさん。どの回も、納得!のアドバイスが盛りだくさんです。
今回は、キッチン引出し収納の極意・第2弾として、スペースを有効活用する工夫や細々とした調味料の収納方法、そこで実際に使っている収納グッズなどについてお訊きします。NANAKOさんの整理収納への考え方とテクニックは、すぐに真似したくなるものばかり。ぜひ、実践してみましょう!
NANAKOさんインタビュー記事はこちら
- 食器棚引出し収納の極意【整理収納アドバイザー・NANAKOさんに聞く、引出し収納ハウツー】
- キッチン・シンク下収納:整理収納アドバイザーNANAKOさんに訊くシンク下とコンロ下収納でかならずやっておきたいこと
- キッチン・ツール収納:整理収納アドバイザーNANAKOさんが伝授!キッチンツールの整理収納で心がけておきたいこと
キッチンの引出しスペースは、最大限に使い切る工夫を
――引出しをうまく使いこなすには、引出しのスペースを最大限に活用することもポイントですよね。
そうですね。深い引出しには、仕切りの役割として深めのボックスを入れて、そのなかにものを収納することをおすすめします。もしくは、浅めのボックスを使うとしたら、同じサイズのボックスを重ねて利用しましょう。そうすれば、上の部分までぴったりと収納スペースを確保できますから。
シンク下の引出しでは、さまざまなボックスを組み合わせて収納
反対に、浅い引出しのなかは、浅めのトレーで仕切ります。
ただ、まずはその引出しに何を入れるかを考えるのが大事ですけどね。そして、それらを心地よく収納するためには、ボックスは深め?浅め?という順番で決めるのがいいと思います。
食器棚の浅い引き出しには浅めのトレーを使って仕切り収納
調味料は角張ったボトルに詰め替えて、空間の無駄をなくす
――NANAKOさんは、コンロに一番近い場所の浅い引出しに、塩やコショウ、コンソメ、かつおだしなどの調味料を収納していますよね。これらを同じシリーズのボトルに入れて並べているのは、スペースを無駄なく使うためですか?
調味料収納は四角いケースにラベリング
まず、この引出しに調味料を入れている理由は、料理をするときにとても便利だからです。なので、「調味料の定番中の定番は、ここに収納する」と決めて、そのうえで、引出しのサイズに最適の収納グッズを選んでいます。その結果、スペースをフルで使うことができているんです。
――ボトルがコンパクトに並んでいて、さらに、それぞれにラベリングがされていて。美しいうえに実用的です!……そういえば、ボトルの形状は角ばっていて四角ですね。これも、空間を無駄なく使いきるための策でしょうか。
キッチングッズは、もともと丸いものが多いんです。調味料のボトルも、ボウルもザルも、丸みがありますよね。
それに反して、引出しの中は四角です。そこに丸みのあるものを収納すると、空間にどうしても無駄ができてしまいます。なので、調味料は角張ったボトルに詰め替えて、ボウルやザルはボックスに入れて収納しています。そうすると気持ちよくきれいに収まります。
うっかり買ってしまった調味料は、引出しには収納しない
――NANAKOさんが使っている調味料入れのボトルは、どちらのものですか?
私が使っているのは、タケヤというプラスチック製品メーカーと、山崎実業のTOWERのフレッシュロックです。フレッシュロックは、ワンタッチで開けられて、尚かつ密閉式なのでとても使いやすく便利ですよ。
今、大人気で、ニトリやカインズでもオリジナルのものが販売されています。サイズ展開が豊富で、調味料入れにふさわしいものから、パスタを入れられる縦長のサイズもあるので、欲しいサイズがかならず見つかるはずです。
――そういえば、NANAKOさんのお宅のキッチンには、定番以外の調味料が見当たりませんね。たとえば、うっかり買ってしまったけど一度しか使用していないスパイスとか……。そういうものは、そもそも買わないのでしょうか。
いえいえ。もちろん、珍しい調味料を時々衝動買いすることはあります(笑)。そういうものは、冷蔵庫に入れていますね。なぜなら、浅い引出しには、「我が家の定番調味料しか収納しない」と決めているので。なくなったら絶対に買い足すほどの定番中の定番しか、フレッシュロックには詰め替えません。
引出し収納で「これだけはやらないほうがいい」こと。それは……
――「ここにはこれだけ」という風に、定位置を決めているんですね。
そうです。以前の記事でお伝えしたように、「頻繁に使う一軍チームはここ」「週に1、2回登場する二軍チームはここ」という風に置き場所を定めています。最後まで使いきれないだろうな、でも買っちゃった……という調味料は三軍なので(笑)、しょっちゅう開け閉めする引出しには入れません。
――キッチンの引出し収納で、「これだけはやらないほうがいい」ということはありますか?
いろいろなお宅に伺うと、引出しに、ジャンル問わずさまざまなものを重ねて入れている様子をよく目にします。食器だけでなく、ラップ、ボウル、インスタントラーメン、たまにしか使わないグラス、マヨネーズも入っていたり(笑)。深い引出しの場合は特にそうで、どんなものも、えい!と投げ込んでミルフィーユ状になっているんです。
でも、そうすると、いざ使うときに出し入れがしにくく、ものを見つけるのに時間がかかりますよね。なので、引出しに収納する際は、適当に入れないこと。このことだけは心がけてほしいです。
――引出しに適当に入れてしまう……。思い当たる節がありすぎて、耳が痛いです。
たくさんのお宅で見かける光景で、そういうかたは多いですよ(笑)。ただ、キッチンでは使うものがだいたい決まっているので、整理のコツさえわかれば、わりとすぐに片付けられると思います。
キッチンの片付けをこれからはじめるという人に一番おすすめの場所は、冷蔵庫です。冷蔵庫のなかというのは、たとえば消費期限が過ぎているものや傷んでいるものなど、手放すべきものをすぐに判断できますよね。
それらを整理していると、自分がよく使っているものとそうでないものを認識できて、さらに、何が必要で何が不要なのかも把握できるようになります。
同じ理由で食料をストックしている引出しの整理も初心者におすすめ
その行程を踏んだうえでキッチン全体を片付けていくと、やり方がわかっているので効率的です。そして、整理整頓に慣れていくと、空間の使い方がどんどん上手になって、結構な物量を収納できるようになっていきます。
引出しが整理されていると、家事に前向きになれる!
――キッチンが片付いていて、引出しのなかも整っていると、それだけで気持ちがすがすがしくなりそうです!
そうなんです。私にとって、キッチンが整理整頓されていて嬉しいことの第1位は、「家事に前向きになれること」です。
グチャグチャの状態のキッチンだと、料理をするときにテンションが全然上がらなくて、すごく適当なものを作ったりしますから(笑)。その反対で、片付いている状態だと、よしやろう!と意欲が湧きます。
真っ白で統一されたNANAKOさん宅のキッチン
とはいえ、人によって何を快適と感じるかは違うと思うので、毎日ピカピカにしていないと!と思う必要はないと思います。私の家のキッチンは狭めなので、物量を管理して、ものの出し入れをしやすくしているほうが暮らしやすいんです。ですが、広いお家に住んでいるかたの場合、ものの置き場所がたくさんあると思うので、そこまで頻繁に整理整頓しなくていいでしょうし。
ご自身が使いやすくて、料理を順調に作れて、ストレスが溜まらないキッチンに整えられるといいですよね。
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取材協力:整理収納アドバイザー NANAKOさん
夫と娘の3人暮らし。外資系アパレルブランドにて10年勤務し、夫の転勤に伴い退職。多くの引っ越し経験と前職を生かし、現在は整理収納アドバイザーとして活動。
◇保有資格
・整理収納アドバイザー1級
・ビジュー式片付けカードワーク インストラクター
テレビや雑誌、Web連載、書籍など多方面にて活躍中
インスタグラムはこちら>@nanako_original_living
NANAKOさんご愛用のキッチンモデルは『JEWEL』です。
※現在は製造を終了、『JEWEL』後継シリーズは『SW(スタイン)』です。