キッチン・シンク下収納:整理収納アドバイザーNANAKOさんに訊くシンク下とコンロ下収納でかならずやっておきたいこと

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前回、食器棚の引出しのなかを美しく保つ秘訣について、役立つ情報をたくさん教えてくださった整理収納アドバイザーのNANAKOさん。今回はシンク下とコンロ下を快適に使いこなす技を伝授していただきます。

まずは、収納タイプが扉式でも引出し式でも、共通して使える収納方法をお聴きします。そのうえで、それぞれのタイプに合う収納術とおすすめの収納グッズもご紹介。「つい疎かにしがちな場所ですが、シンク下とコンロ下こそ、使いやすく整理することをおすすめします」とおっしゃるNANAKOさん。毎日の家事がぐんと楽になる方法が、満載です!

 

NANAKOさんインタビュー記事はこちら

食器棚引出し収納の極意【整理収納アドバイザー・NANAKOさんに聞く、引出し収納ハウツー】

 

最強の一軍選手たちを、すぐに使えるようにスタンバイ

──キッチンの片付けでありがちなこととして、見た目は綺麗にしていても、シンク下やコンロ下のなかはグチャグチャ……。そういうケースをよく耳にします。どうすれば、この問題を解決できるのでしょうか?

どちらのスペースも、かなりの頻度で使用する場所ですよね。水仕事や料理をするときにはその場に立つので、そこから一番近いシンク下とコンロ下には、作業の際に必要なものを常備しておきたいものです。まずはこのことを認識して、いつも使うものをすぐに取り出せる状態を作りましょう。

前回の記事でお伝えしたように、引出しや棚には、使っていないものを入れている場合ではないんです。シンク下やコンロ下は特にそうで、毎日本当に使っているものや使いたいもの、つまり最強の一軍選手ばかりを収納していただきたいです。自分にとって使いやすい定位置に、いつもスタンバイさせておく気持ちで収納するといいと思います。

──NANAKOさんのお宅のシンク下には、いろいろな種類のものが入っていますね。

お米、ザル、麦茶のパック、キッチンタオル、洗剤類をしまっています。それから、ジッパー式の保存用袋はひとつずつ丸めて立てて収納し、排水溝用の水切りネットはひとつひとつバラバラにして置いています。すべてボックスで仕切っていて、煩雑にならないようにしています。

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──たしかに、シンクでの超活躍選手ばかりが揃っていますね!しかも、袋やネットはひとつずつがすぐに使える状態になっていて、実に使いやすそうです!

基本的には、どんなものでも、市販の箱に入った状態ではなくて、箱からすべて出して収納するようにしています。そのほうが、いざ使うときに手早く作業ができるますよね。

キッチンに立っているときは、だいたいの場合忙しいですよね。その際の時短につながるような整理を心がけています。

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シンク下とコンロ下は縦長。有効活用のため仕切りは必須

──箱や袋から出して収納する作業を面倒と思ってしまいそうですが……、このひと手間をかけることで、家事がスピーディーになりそうです! 何をしまっているのか一目瞭然ですし、取り出しやすさも抜群ですね。

シンク下もコンロ下も、だいたいの場合、底が深い構造になっていますよね。その空間をうまく使い切るには、縦に区切って収納することが大事なんです。そのうえで、我が家は引出しタイプなので、上からすべてのものを見渡せるような配置にしています。

また、縦に仕切る理由は、キッチンで使うものの多くが平らな形だからという点もあります。たとえばボウルやザル、フライパンやお鍋は縦に長くなくて、平たい形状ですよね。なので、縦に仕切って立てて収納するほうが、空間を効率よく使えるんです。

それから、排水溝用のネットやゴム手袋などの細かいものは、我が家の場合、無印良品の「ポリプロピレンメイクボックス」に入れています。そして、そのボックスを重ねて使用することで、高さを最大限に活用しています。

重ねられるボックスでもうひとつご紹介しておきたいのは、カインズホームの「Skitto(スキット)」。様々な組み合わせが可能で、たとえば下段は長方形で、上に重ねるボックスは正方形にすることもできます。上のボックスを移動させなくても下のものを取ることができて、さらに3段ぐらい重ねられるので、シンク下やコンロ下の縦長のスペースで使うのにぴったりのアイテムです。

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──シンク下やコンロ下では、仕切りや重ねるボックスが活躍するのですね。

仕切りは大事です。ただ、収納グッズにはそれほどこだわらなくていいと思います。なぜなら、「このボックスに何を入れようかな」と考えることが先になって、そこに必要のないものを入れてしまうなど、本末転倒になることがあるので(笑)。

収納するボックスは、ご自宅にある空き箱を使ってもいいんです。私はペットボトルをよく利用しますよ。使い勝手のいいサイズにカットすればいいので、とても便利です。

──なるほど!ペットボトルは高さがありますし、重宝しそうですね。では、シンク下とコンロ下だからこそ使ってほしいアイテムはありますか?

引出し式にも扉式にも共通して便利なものは、フライパンやお鍋の蓋を立てて収納できるフライパンスタンドです。いろいろなご家庭を訪問してよく目にするのは、フライパンやお鍋を重ねている光景です。そして下のほうにあるものを取り出すことが面倒で……と、お困りのかたが多いです。そういうかたは、一度でいいので、立てて収納してみてほしいです。あまりの使いやすさに驚きますよ。

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ニトリの「伸縮ざるボウルフライパンスタンド」は、横幅を調節できます。さらに、たとえばフライパンを立てるとしたら、その部分の幅だけを変えることもできるので、ご自宅にあるフライパンがどういう厚みだとしても、ぴったりの収納が作れるんです。このアイテムはおすすめです。

 

意外に困る、ゴミ袋とお米のおすすめ収納法

──幅が調整できるというのは、かなり便利ですね。ところで、立てて収納するという意味では、NANAKOさんはゴミ袋やポリ袋も縦にして整理していますよね。その収納法の仕組みはどうなっているのですか?

書類整理用の個別フォルダに、ポリ袋やゴミ袋をかけて収納しています。そして、それぞれを輪ゴムで止めて、袋を引き出すときに滑りにくい状態にしています。ゴミ袋は、取ろうとすると2、3枚くっついてくることが多いですよね。それをもとに戻すのが面倒なので、使いやすさを第一に考えています。各フォルダにラベリングをすると、より便利ですね。

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無印良品のファイルボックスに、同じく無印良品の、かけるタイプの「再生紙ハンギングホルダー」を組み合わせて使ってもいいと思います。また、山崎実業のTOWERにも、同じ原理の「シンク下ポリ袋収納 タワー」という製品があります。

こういう収納法は、やってみる前は、こんなことまでしなくても……と思ったりするのですが、仕組みを一回作ると本当に楽です。使うときは素早く取り出せますし、ゴミ袋がなくなったら、そこにかけるだけでいいので。収納は、最初の仕組みづくりが重要なのだと思います。

──快適な収納法を手に入れるためには、仕組みづくりが鍵なのですね。

そうですね。どこにどういう置き方をすれば、使い勝手がいいのか。そのことを考えたうえで収納することをおすすめします。不便なところに、出し入れが面倒な状態で置くと、キッチンに立つたびに嫌な思いをしますから。

キッチンで置き場所に困るものとしては、お米も挙げられます。美味しく長持ちさせるには冷蔵庫が最適なようですが、庫内のスペースをかなり占めるので、ほかの場所に収納したいと思う人は多いのではないでしょうか。そこで最近人気があるのは、密閉式の米びつです。山崎実業のTOWERの「密閉シンク下米びつ」は、シンク下に最適のサイズのボックス型で、蓋で密閉できるので衛生面も安心です。

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シンク下に入れておけば、一歩も動かずにお米を研ぐ準備ができますよね。動線のよさも利点です。

 

大事なのは仕組みづくり。それさえ整えれば、あとは楽なことだらけ

──今までお伺いした内容は、シンク下が引出しタイプでも扉タイプでも、おおむね実践できる収納法だと思います。ただ、扉タイプの場合、引出しタイプよりも空間が縦長です。そうなると、コの字型のラックなどで仕切りを設けないと使いづらいですよね。

扉タイプの場合は、ぜひ、中を仕切っていただきたいです。たとえば、ニトリの「シンク下 伸縮ラック」は、とても使い勝手がいいですよ。幅や高さの調節ができて、尚かつ棚板を外せるので、排水溝のパイプがある場所でも設置できるんです。

このラックを置いて、そこにフライパンやお鍋を並べてもいいですね。もしくは、棚は一段にして、そのうえにニトリの「伸縮ざるボウルフライパンスタンド」を置いて、フライパン類を立てて収納することもおすすめです。または、ボックスを設置して食品を立てて収納する方法もいいと思います。

それから、ラックは設置せずに、引出しそのものを置くという考え方もあります。たとえば、無印良品の「ポリプロピレンケース・引出式」を何段か重ねて使うなどでしょうか。この製品は、軽くて丈夫で、引出しの開閉が滑らか。使い心地がとてもいいです。

扉式の収納の場合、縦に長いだけでなく奥行きも結構あるので、縦方向の空間がどうしても余りやすいんです。空間をめいっぱい使うには、扉に引っかけるホルダータイプの収納を利用するのも一案です。ラップを入れるものや鍋の蓋を入れるものなど様々なタイプがあるので、使いやすいものを試してみるといいと思います。

──シンク下とコンロ下の整理収納は、つい後回しにしがちですが……、この場所こそ意識して片付けようと思いました。使いやすい仕組みを作れば、キッチンに立つのが楽しくなりそうです!

そうなんです。とにかく大事なのは、仕組みづくりです。一回整えてしまえば、あとはその場所に戻すだけ。これほど楽なことはないと思います。ただ、どうやって仕組みを作ればいいのかわからないというかたもいらっしゃいますよね。その場合は、ご自宅のキッチンの環境や家族構成が似ている人の収納方法を参考にしてみてはいかがでしょう。今は、インターネットで「キッチン 整理収納」などのワードで検索すると、たくさんの事例が見られます。いいなと思うかたのキッチンの整理収納法を真似することから始めて、少しずつ、ご自分なりの仕組みを作っていくといいと思います。

NANAKOさんインタビュー記事はこちら

食器棚引出し収納の極意【整理収納アドバイザー・NANAKOさんに聞く、引出し収納ハウツー】

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取材協力:整理収納アドバイザー NANAKOさん

夫と娘の3人暮らし。外資系アパレルブランドにて10年勤務し、夫の転勤に伴い退職。多くの引っ越し経験と前職を生かし、現在は整理収納アドバイザーとして活動。

◇保有資格
・整理収納アドバイザー1級
・ビジュー式片付けカードワーク インストラクター

テレビや雑誌、Web連載、書籍など多方面にて活躍中

インスタグラムはこちら>@nanako_original_living

NANAKOさんご愛用のキッチンモデルは『JEWEL』です。
※現在は製造を終了、『JEWEL』後継シリーズは『SW(スタイン)』です。

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