キッチン・ツール収納:整理収納アドバイザーNANAKOさんが伝授!キッチンツールの整理収納で心がけておきたいこと

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当コラムで、毎日の家事が楽しくなるような、効率的かつ美しい収納術を教えてくださっている、整理収納アドバイザーのNANAKOさん。今回は、キッチンがごちゃつく問題の一因である、キッチンツールや調理器具の整理収納についてアドバイスをいただきます。お玉やフライ返し、菜箸、計量スプーンなどなど、なぜか、いつの間にか増えている……! という現象、起こりがちですよね。これらをどうすれば気持ちよく整頓できるのか、教えてください!

 

NANAKOさんインタビュー記事はこちら

 

必要なものだけを、ペットボトルに立てて収納

──前回の記事では、NANAKOさんのお宅のシンク下とコンロ下の収納について詳しくお伺いしました。その際に気づいたのですが、NANAKOさんはキッチンツールを少ししか持っていらっしゃらないような……。所有している物を教えてもらってもよいですか?

はい。コンロ下には使用頻度が高いものだけを置いていて、お玉2本、フライ返し2本、菜箸2膳。そのほか、キッチンバサミとピーラーを収納しています。これが、私が毎日使うにはちょうどいい量で、それ以上は必要ないんです。

kitchen-tools_01NANAKOさんの一軍キッチンツール

──たしかに、必要な量があればいいですものね。立てて収納することもポイントですか?

そうですね。コンロ下やシンク下の収納の場合、上から見下ろしたときにひと目でわかる状態が望ましいので、そうしています。しかも、お玉などの縦長のものを横にして入れると、場所を取りますし。私は、ペットボトルをハサミで切って、それにキッチンツールを立てて収納しています。

──前回も、ペットボトルを再利用する技を教えていただきました。シンク下などの、外から見えない場所であれば、収納グッズはデザイン性が高くなくても充分ですよね。

そうなんです。2リットルのペットボトルをハサミで適当に切って、それを、無印良品のファイルボックスのなかにふたつ並べて入れています。余談になりますが、我が家では紙コップも収納グッズとして結構使いますよ。水に弱い素材なのでキッチンでは使用しませんが、たとえば色鉛筆や消しゴムなど、細かいものを収納したいときにはぴったりです。汚れたら気兼ねなく処分できて便利ですよ。

kitchen-tools_02ペットボトルや牛乳パックで収納グッズを作ることも

 

お玉は6本なくてもよいと思う……。家族構成や料理の頻度を考えて

──キッチンツールの整理収納で、心がけるといいことは何でしょうか。

まずは、ご自身がどれくらいの量を使うのかを把握することが大事です。お客様の家に整理収納に伺うと、「お玉って何本ぐらい必要なんでしょうか?」と聞かれることがあるのですが、家族構成や料理の頻度によって必要な量は変わります。

それほど料理をしないのであれば1本で充分ですし、数種類のメニューをいっぺんに料理するお宅であれば3本ぐらいあってもいいと思います。でも、コンロは二口か三口しかないので、お玉6本は必要ないですよね(笑)。

──やはり、必要な量だけを持てばいいということですね。

そうです。そのなかで、時々しか使わないキッチンツールがあるとしたら、それは別の場所に移動させるほうがいいです。引出し収納の記事の際にお伝えしたように、毎日、もしくは2日に1回、3日に1回使用するものは「一軍」と捉えて、すぐに使える場所に置きます。

でも、ここに、一軍以外のものは混在させないようにしていただきたいです。

我が家には、1年に1回か2回しか使わない、ケーキを作るとき用の大きなボウルと泡だて器、ヘラがあります。それを、シンク下の使いやすい場所に入れておくと、スペースがもったいないですよね。なので、ふだんはキッチンとはまったく関係ない部屋の棚に収納しています。

ふだん使いのキッチンツールと、そうでないものは、分けて置くことがポイントですね。そのほうが効率的です。

 

使わないキッチンツールは、溜めずに、「片を付ける」

──キッチンツールや調理器具は、話題の製品や便利なアイテムが続々と登場しますよね。NANAKOさんは、そういうものを思わず買ってしまうことはないのですか?

うーん……、最近はあまりないですね。なぜなら、今まで失敗をたくさんしてきたので。たとえば、野菜の水切り器にスライサーなどのアタッチメントが付けられる調理器具を、以前買ったことがあるんです。いろいろな切り方ができるスライサーが付いていて、便利そうだなと思ったので。ところが、実際に買ってみると、見事なほど使わなくて。

なぜなら、まず、その調理器具を引出しから出すことが面倒だったんですよね。そして、洗うのも面倒でした。結局は普通に包丁で切るほうが早いなと思いました。サイズが結構大きめなのでスペースを取ってしまっていたので、数回使っただけでフリマアプリに出品しました。

──ものを手放すときは、心が痛みますよね。

そうなんです。フリマアプリで売ったり、人に譲れたりすればいいのですが、ものを整理しているとゴミとして処分せざるを得ないこともありますよね。そのたびに、ああ、やってしまった……と思って、次こそは失敗しないぞと学びます。

こういうことを経験してわかったのは、手放したあとにどうしてももう一度欲しいものは、また買い直すはずだということ。私の場合は、「勉強し直そう」と思って取っておいた英語の教材についても、同じことが言えました。一時は意気込んでいろいろな教材を買ったけれど、結局は山積み……。それなら一度手放して、本気で勉強したくなったときに買い直せばいいのだと思うようになりました。つまり、いったんは片付ける。自分の気持ちに「片を付ける」ということですね。

──片付けという行為は、気持ちに決着をつけるという意味の「片を付ける」でもあるんですね!

奥深いですよね(笑)。

──そう言われてみると、不要なものはずるずると溜め込むのではなく、こまめに「片を付ける」ほうが、物事に前向きに取り組んでいけそうです。

私の場合はそうです。でも、人によっては、いろいろなものが置いてあることに快適さを感じる人もいますよね。大事なのは、ご自身やご家族が、使いやすくて快適に過ごせるキッチンかどうかだと思います。

 

「見せる」か「隠す」かは、お好み次第。大事なのは、何を快適と感じるか

──NANAKOさんは、外にものが出ていないすっきりとしたキッチンが好みだけれど、“見せる収納”が好きなかたもいますよね。たとえば、キッチンツールはぶら下げて収納していたり。

見せる収納も、とても使いやすそうですよね。取りたいものを、ワンアクションでさっと取れますし。ただ、私は掃除を楽にしたい気持ちが強いのと、空間を広く見せたいということもあって、キッチンツールを含め、ほとんどのものを引出しや棚にしまっています。

──「見せる」のか「隠す」のかについては、そのかたのお好み次第ということですね。

人によって、「好きだな」「いいな」と思うポイントは違いますからね。私がまったく使えなかった、アタッチメント付きの野菜の水切り器をすごく便利に使って、家事が楽になった! という人もいるでしょうし。なので、自分にとっての「いいな」と思えるポイントはどういう点なのかを気づくことが大切な気がします。

そのためには、まずは何でも試してみないとわからないですよね。そして、私には合わなかった……と思ったら、ありがとう! と片を付けて、次の買い物では失敗しないぞと肝に銘じる。そうやって、ご自分が楽しく心地よく過ごせる環境を整えていけるといいのだと思います。

 

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nanako_prof

取材協力:整理収納アドバイザー NANAKOさん

夫と娘の3人暮らし。外資系アパレルブランドにて10年勤務し、夫の転勤に伴い退職。多くの引っ越し経験と前職を生かし、現在は整理収納アドバイザーとして活動。

◇保有資格
・整理収納アドバイザー1級
・ビジュー式片付けカードワーク インストラクター

テレビや雑誌、Web連載、書籍など多方面にて活躍中

インスタグラムはこちら>@nanako_original_living

NANAKOさんご愛用のキッチンモデルは『JEWEL』です。
※現在は製造を終了、『JEWEL』後継シリーズは『SW(スタイン)』です。

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