食器棚・収納を制すればおしゃれで居心地のいいキッチンは手に入る インテリアコーディネーターに聞くおしゃれなキッチンの作りかた

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前回に引き続き、おしゃれなダイニングとキッチンの作りかたについて、その秘訣をインテリアコーディネーターのMAKOさんに伺います。今回は、居心地のいいキッチン作りにおいて避けては通れない収納の問題と、食器棚の選びかたなどにフォーカスを当てて、おしゃれなキッチンをキープする方法を教えていただきます!MAKOさんのコーディネート事例とともにお楽しみください。

前編はこちら
ダイニング・キッチンをおしゃれにしたい!何から始めればいいの?インテリアコーディネーターMAKOさんに聞く

MAKOさんプロフィール

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モデルハウスやサロン、オフィス、ホテル、個人宅のインテリアコーディネート・スタイリングをベースに、近年では法人企業とコラボレーションして商品や店舗のプロデュースを行っている。日本テレビ『ヒルナンデス』、TBS『Nスタ』、フジテレビ『めざましテレビ』ほか、ラジオや雑誌、Webなど数多くのメディアに出演。また、『積水ハウス』など法人でのセミナーや、『日本経済新聞』などへの執筆活動など幅広く活動中。

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“おしゃれ”をキープしたいなら、収納はおろそかにしないで

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ダイニングとキッチンをどんなに素敵にしたいと思っても、片付けや収納がうまくできなければ、“おしゃれ”はキープできません。収納ができていてこそインテリアは映える、というのは、実際に暮らす空間の現実です。

というわけで、まずは、自分は収納することが得意なのか苦手なのか、そのあたりを知ることも大事です。なぜなら、片付けが好きかどうかによって、その人にふさわしい家具や食器棚は変わりますから。このことを把握しないまま、見た目の好みだけで家具類を選ぶと、なかなか生活がしづらくストレスを抱えることになりかねません。

好みだけで家具を選ぶのはNG

たとえば、収納に慣れている人は、いろいろなものを見せて収納するオープンラックを使いこなせると思います。しかし、そうじゃない人は、単にものを詰め込んで雑然とした状態になりがち、という場合もあります。ダイニングとキッチンは毎日過ごす空間なので、好みだけで家具を選ぶと暮らしやすくはならないのです。

どうすれば快適に過ごせるかを前提に、生活動線を考えて、ものがあふれないような収納を確保することが大事です。細々としたものを入れる“指定席”を作るのもひとつの手で、ダイニングテーブルの脇にキッチンワゴンを置いて、ティッシュ、薬、DMなどはそこに仕舞うなど、見せない工夫をするといいでしょう。

ただし、片付けてすっきりさせるだけだと生活感がなくなるので、アートやフォトフレームを飾るなど、“自分らしさ”をちりばめると雰囲気がぐっとよくなります。

おしゃれで居心地いいキッチンを作るには、食器棚選びがカギ

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キッチンの収納スペースの多くを占める場所といえば、食器棚です。

食器棚を選ぶ際は、設置場所のサイズ、寸法はメモしておきましょう。そして重要なのが、そこになにをどれぐらい収納したいのかを把握しておくことです。

食器類はもちろんですが、特に注意したいのは家電類。置きかたによって使い勝手にも大きな影響があります。たとえば毎日使う炊飯器が、低すぎたり高すぎたり、使いづらい場所にあったら……、ストレスになりますよね。こうしたものを収めるイメージをしてみるといいと思います。

それから、食器棚に電子レンジや炊飯器を置く場合、電源は近いところにあるのかについても把握を。使いやすさを考えると、扉のタイプも変わってきます。狭い場所に置くのであれば引き戸式かオープンラックがいいですし、開き戸だったり、またスライドさせて手前に引き出すようなタイプを選ぶのであれば、手前にものの出し入れや作業ができる充分なスペースがあるのかについても、チェックを忘れずに。そのほか、高さについてもご自身で使いやすいかチェックしておくといいですね。この点は、特に収納が苦手な人にとって重要です。やはりストレスフリーなものを選ぶことをおすすめします。

さらに、つい忘れがちな、ゴミ箱の置き場所も事前に考えておくといいでしょう。たとえば、食器棚にゴミ箱が付いているタイプであれば、そこにゴミは入りきるのかについてもシミュレーションを。ゴミが入りきらず、新たにゴミ箱を買うことになってしまったら、食器棚に付属しているゴミ箱は役立たずになってもったいないですよね。せっかくの食器棚が台なしです。

片付け下手の人は、すりガラスの扉で整然とした印象を

見た目のことだけを考えると、カフェ風のインテリアが好きな人は、オープンタイプの骨組みだけのラックが好きかもしれません。しかし、前述したように、片付け下手の人は、オープンラックを使った“見せる収納”は難易度が高い・・・。

その場合は、たとえば扉がすりガラスになっているものを選ぶといいでしょう。そうすれば、食器棚の中は丸見えにならず、整然とした印象を与えることができます。

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すりガラスの扉は、収納が苦手なかたにおすすめ

すべてに扉がついている食器棚は、片付け下手の人だけでなく、モノをたくさん持っている人にも向いています。また、きっちりとした雰囲気をキープしていたい人にもおすすめです。

sh_01全面をカバーするタイプは「きっちり」キープが得意

また、メンテナンス面も考慮しておくといいと思います。掃除は楽なほうがいいという人は、ひと拭きするだけで汚れが落ちる素材を選ぶと、お手入れがかんたんです。

自分にあう食器棚を実際に使いはじめてからは、収納グッズ選ぶにも注意してほしいです。たとえば、食器棚の引出しに「細かく仕切りをつけるほうがやりやすい」という人と「大雑把に仕舞うほうがいい」という人がいます。つまり、収納グッズは便利なようで、人によっては使わないほうがいい場合もあるのです。自分の得意不得意を第一に考えて選ぶといいでしょう。

初めから100%を求めないで。少しずつ、自分らしい空間づくりを

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ダイニングやキッチンに限らず、自分が「居心地いい」と感じる空間は、人それぞれ違います。使い勝手のいいレイアウト、収納や掃除がしやすい食器棚選び、それから、おしゃれな空間演出に欠かせない小物のセレクトなど。さまざまなプロセスを楽しんで、トライ&エラーを繰り返しながら理想の空間を作っていくといいと思います。

センスに自信がない人、またはセンスをさらに磨きたい人は、インターネットで見つけたインテリアの画像を保存したり、ドラマや映画をみるときはキッチンを意識して見たり。日頃からさまざまなことにアンテナを張ってセンスアップにつなげましょう。

また、家具のショールームに足を運ぶこともおすすめです。食器棚の実際のサイズや素材感、ダイニングテーブルとペンダントライトの組み合わせかた、カラーコーディネートなどなど、実物を前にすると学べることはたくさんあります。

とにかく、楽しむ気持ちを忘れずに。インテリアには完成形はなく、最初から100%満足の空間に仕上げるのは無理です。ライフスタイルが変われば家具の配置も違うほうが生活しやすいなど、その都度の変化が起こります。そして、そのたびに新たな情報を得て試行錯誤を重ねることが、インテリアの知識として身についていくのです。空間づくりは、ゆったりと楽しみ続けることがコツなのです。

まとめ:MAKOさん流おしゃれキッチンの作りかた その2
④デザインだけでなく、自分との向き合いかたも重要
⑤食器棚は使い勝手も重視して
⑥お店や映画、またショールームなど、さまざまな「体験」も楽しさアップ

「MAKOさん流おしゃれキッチンの作りかた その1」はこちら
ダイニング・キッチンをおしゃれにしたい!何から始めればいい?インテリアコーディネーターMAKOさんに聞く

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