使用頻度が高く滞在時間も長いキッチンは、お気に入りの色やおしゃれに見える色にして、料理の時間を視覚的にも楽しみたいという方は多いでしょう。
キッチン本体と背面収納や内装材とのバランスを考慮して決めることが、キッチン空間全体をセンス良くまとめられるコツです。
おしゃれなキッチンに仕上げるための色選びのポイントや、内装材とのバランスのとり方について解説します。
色はあまりにも身近なため、普段私たちはその特性をあまり意識せずに過ごしています。
しかし、色選びは空間づくりにおいてさまざまな影響を与える重要な要素のひとつです。
おしゃれな印象を与えるキッチン空間づくりにとりかかる前に、まずは色の持つ特性を把握してキッチンの色選びに生かしましょう。
・後退色と進出色
・ブルーベースとイエローベース
・心理的な影響
それぞれ解説します。
色には後退色と進出色があります。
後退色とは実際の位置よりも遠くにあるように見える色で、青や青紫などの寒色、彩度(色の鮮やかさ)が低い暗めの色が該当します。対して進出色は、実際の位置よりも近くにあるように見える色で、黄色やオレンジなどの暖色や明度(色の明るさ)が高い色を指します。
一般的な住宅のキッチンは横幅が255cm~285cm、高さが85~90cmとキッチン空間の中にある設備としてはもっとも広い面積を占めます。
キッチン本体の扉色を進出色である暖色系の色にすると、寒色系の色にした場合よりもキッチンが実際より手前にあるように感じやすく、圧迫感を覚える可能性が高いです。特に周囲が壁で囲まれている独立型キッチンは、対面型やオープン型のキッチンよりも狭く見えやすいため、広く見せたいなら扉を後退色にするとよいでしょう。
色みがある色、つまり黒と白以外の色を有彩色と言います。有彩色はすべて、青みがかったブルーベースと黄みがかったイエローベースに大きく分けることができます。
たとえば白でいうと、ホワイトはブルーベース、アイボリーはイエローベースです。
ブルーベースの色とイエローベースの色が同じ空間内で混在すると、雑然とした落ち着かない印象になります。キッチン本体と床や壁の色、キッチン本体の扉とワークトップの色を同じベースで揃えましょう。
意外と忘れがちなのが照明の光の色です。
たとえばキッチンの扉の色をアイボリーにした場合、照明の光を昼光色にするとベースが異なるためキッチン全体が濁って見えてしまいます。
せっかく選んだお気に入りの色がうまく再現されないため、照明の光の色は特に意識して合わせてくださいね。
滞在時間が長いほど、その空間の中にある色の心理的影響を受けやすいと言われています。
人によって色に感じるインパクトに差があるとはいえ、第一印象として受ける影響はほぼ変わりません。
キッチン本体はキッチン空間に占める面積が大きいだけに、どの色にするかで空間全体の印象を左右すると言えるでしょう。主な色の心理的影響についてまとめましたので、キッチンの色選びの参考にしてみてください。
赤 | 活動的・刺激的 | 白 | 清潔・純粋 |
オレンジ | 健康的・暖かさ | 青 | 爽快・冷静・広大 |
黄 | 明るさ・軽快 | 黒 | 高級・重厚感・シック |
緑 | リラックス・落ち着き | 紫 | 個性的・高貴・神秘的 |
茶 | 自然・ぬくもり | グレー | 冷静・洗練 |
人は無意識に色を見てさまざまな印象を受けています。
毎日使う場所だからこそ、好みに加えて色の特性も考慮しながらキッチンの色選びを進めていくのがおすすめです。
食材を扱う場所であるキッチンには、衛生面で管理しやすい色や、長時間細かい作業をしても疲れにくい色が適しています。
おすすめのキッチンの扉色を5つ紹介します。
・ホワイト
・グレー
・イエローやオレンジ
・ネイビー
・ブラウン
それぞれ解説します。
清潔感があり明るい雰囲気のホワイトは、キッチンの扉色として根強い人気を誇るいわば定番色です。
空間を広く見せる上に開放的な雰囲気を感じさせ、光を反射するため明るさも得られるので、キッチン空間の広さに関係なくマッチします。
汚れが目立ちやすいためこまめな清掃が必要ですが、衛生面では安心です。
キッチン家電の定番色でもあるため、冷蔵庫や電子レンジなどとトータルコーディネートしやすいでしょう。
濃淡によって印象が変わるグレーは、近年人気が高い色です。
汚れが目立ちにくいこともあり、キッチン家電にも多く採用されるようになってきました。
淡いトーンなら上品でやさしげな雰囲気に、濃いトーンならスタイリッシュでモダンな雰囲気に仕上がります。
キッチン空間を洗練された印象にしたい場合におすすめです。
暖色系でも赤よりややソフトな印象のイエローやオレンジは、あたたかみがあり食材を扱う空間の色に適しています。
派手さが気になるなら、優しい雰囲気になる淡いトーンがおすすめです。
逆にオープン型のキッチンでLDKのアクセントにしたいなら、濃いトーンを選ぶと個性を出せてよいでしょう。
キッチンの扉色として注目度が高まっている色のひとつがネイビーです。
クールでスタイリッシュな雰囲気がありながら、シックで落ち着いた印象を与えるため、年代を問わず使いやすいでしょう。また、後退色のため独立型のキッチンでもあまり狭さを感じさせません。
木の色であるブラウンは、キッチンの定番色として多くの人に選ばれています。
派手さはないものの落ち着いた雰囲気があり、ダイニングテーブルやフローリングなど周囲の家具や内装材とのバランスもとりやすいです。木目が縦方向だとクラシカルな、横方向だとモダンな印象になります。
キッチンの扉色は、明るく衛生的であること、好みの色であること、キッチン空間が圧迫感のあるスペースにならないことを考慮して選びましょう。
毎日楽しく料理ができるおしゃれなキッチンを演出するために、色選びのポイントを5つご紹介します。
・床や壁とのバランスを考える
・オープン型キッチンはリビングダイニングとの調和を考える
・ワークトップとの組み合わせを考える
・キッチン収納との統一感を重視する
・必ず事前にシミュレーションする
それぞれ解説します。
簡単に取り替えできない床や壁の色とのバランスは重要です。
床や壁とキッチンの扉色を同系色でそろえれば統一感が出せますし、キッチンの扉色だけ違う色にすると空間のアクセントになります。キッチンの扉色単体で考えず、空間全体をブルーベースとイエローベースのどちらにするかを決めてから色選びを進めましょう。
独立型キッチンなら他の空間を考慮せず好きな色を取り入れられますが、対面型やオープ型のキッチンはリビングやダイニングの内装・家具とのバランスを考えましょう。
リビングやダイニングのインテリアテイストと統一すること、キッチン本体を空間の一部とするかアクセントとするかを決めることが重要です。
奥行き100cm弱のワークトップがセットされるオープン型キッチンの場合は、リビングやダイニングからワークトップやキッチンのサイド面がよく見えます。
最近はワークトップの色や柄のバリエーションが増えてきており、組み合わせ次第で個性的なキッチンに仕上げられるケースが増えてきました。リビングやダイニングから見て、キッチンの扉色とワークトップの色のバランスが取れているか、LDKとして統一感があるかを考慮しながら選ぶとよいでしょう。
キッチン空間には、キッチン本体だけでなく食器棚やカウンターなどのキッチン収納もあります。
本体と収納を同系色でそろえるのが理想的ですが、あえて別の色にするのもインパクトがありおしゃれです。
ただし、別の色を組み合わせる場合は同じベースの色で合わせ、雑然とした印象にならないよう注意しましょう。
キッチンメーカーのHPやショールームでは、カラーコーディネートをシミュレーションできる無料サービスが提供されています。床や壁の色も選べるため、空間全体の仕上がりイメージがつかみやすいです。気になる扉色をいくつか着せ替えしながら確認してみてください。
キッチンの色選びは、キッチン本体だけに注目するとちぐはぐになってしまう可能性が高いです。必ずキッチン空間全体で考え、バランスが取れているか確認しましょう。
床や壁、背面収納も含めた空間全体の色の組み合わせとして、センスの良さを感じさせるおすすめパターンをご紹介します。
また、快適なキッチン環境を構築するには、色だけでなく導線を意識することも大切です。
キッチンの導線については下記記事をご参考ください。
・ホワイト系の床や壁×ブラック〜ネイビーのキッチン
・木目色のフローリングの床×グレー系のキッチン
・ライトグレー系の床や壁×イエロー系のキッチン
それぞれ解説します。
濃淡が真逆な色を組み合わせると、メリハリがついてスタイリッシュな印象を与えます。
空間全体が白く明るい雰囲気の中で、ブラック~ネイビー系の濃いトーンのキッチンが映えて洒落た雰囲気に仕上がります。
たとえばウォールナットのフローリングにグレー系のキッチンを合わせると、最近話題のジャパンディテイストに仕上がります。シックで落ち着いた雰囲気となり、大人のキッチン空間となるでしょう。
日本では壁や天井をホワイト系に仕上げがちですが、最近は薄いグレー系の色でまとめるパターンも多いです。
イエロー系のキッチンだと暗くなりすぎず、洗練されたイメージを与えます。
キッチンと床や壁の色をおしゃれにまとめて、毎日わくわくできるキッチンに仕上げましょう。
キッチンの色選びで重要なことは、色の特性を知り、自分が望む印象のキッチン空間に仕上げられる色はどれかをよく考えながら選択することです。
キッチン空間自体の広さ、隣接するリビングやダイニングとのバランスも踏まえて、イメージ通りのキッチンが実現できる色をぜひ見つけてみてください。
綾野製作所では、メラミン化粧板仕様の前板を60色の中から選んでオーダーすることができます。
また、キッチンの色についてショールームにてプロに相談することができます。
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弊社では、できる限り良質な素材を使用するのはもちろん、細部の形や色合いにもこだわり、何度も試作と社内での議論を重ねながら製品を作り上げています。
弊社のこだわりについて、詳しくは下記のページをご覧ください。